たんぽぽには、自律神経に起因した不調の改善を主目的に来院される方が、多数来院されております。
また、複数の不調を抱えている方や、慢性的な症状にお悩みの方などは、背景に自律神経の問題が潜んでいることも少なくなく、そのような場合、各々の直接的な原因への施術に加え、自律神経を整えることで状態が好転し、復調されています。
・目次・
- 自律神経とは
- 交感神経優位と副交感神経優位
- 自律神経失調症について
- 自律神経の失調によって現れる症状
- 自律神経が乱れる原因
- 自律神経と“体力”
- 自律神経とストレス
- 自律神経を整える
- みなさまから寄せられた口コミ
- ご予約・お問い合わせはお気軽に
1.自律神経とは
自律神経は、「外界の環境に対し、体内の環境を一定に保つ」ために、24時間365日、私たちの意思に関係なく稼動しています。動く、寝る、食べる、排泄する、人間関係・・・私たちが生きる上での営みの全てに、自律神経が関わっているのです。仮に、自律神経が1分間でも休むと生きていけません。
生命活動の根幹である呼吸、血管、心拍、筋肉、臓器、体温などの働きを無意識にコントロールしている自律神経は、交感神経と副交感神経から成り、私たちの身体をその場に適した状態に自動調整しています。状況に応じて、交感神経が優位になったり、副交感神経が優位になったり、シーソーのようにバランスをとりながら働いています。
交感神経は、心身の「活動・興奮モード」のときに優位に働き、車でいうアクセルのように身体を活動的にする役割を持ちます。副交感神経は、心身が「安静(休息)・リラックスモード」のときに、優位に働き、ブレーキのような役割に例えられます。身体をリラックスさせ、再び活動するための準備やメンテナンスの役割があります。
この2つの神経のバランスが大きく崩れると、一般に自律神経失調症と称される状態になり、さまざまな症状が現れます。
2.交感神経優位と副交感神経優位
交感神経と副交換神経は、状況に応じて、シーソーのようにバランスをとりながら働いています。
どちらか一方が、優位になっている状況が続くと、身体に以下のような傾向が現れます。
- ◇ 交感神経が優位になり過ぎると、心拍数を増やし、呼吸も浅く速くなります。
血圧や血糖値を上げ、血管を収縮し、筋肉を緊張させます。
この状態が続くと、血流障害が起こり、虚血状態になります。その結果、細胞は酸欠となり、活性酸素が増えてしまいます。過剰な活性酸素は、細胞を傷害し、がんや心血管疾患、生活習慣病などをもたらす要因となるといわれています。
- ◇ 副交感神経が優位になり過ぎると、徐脈(脈が遅くなる)になり、血圧も低下します。
だるさを感じやすく、虚脱した姿勢をとりやすくなります。
血流が増加し過ぎることで、静脈内でうっ血が起こり、老廃物も溜まりやすくなります。過活動膀胱など泌尿器系の不調も起こりやすくなります。
3.自律神経失調症について
医療機関で身体症状に見合う検査異常がない場合、自律神経失調症などと呼ばれています。
自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが崩れた時に生じますが、医学的な正式名称ではありません。近年、心身医学の領域では、機能性身体症候群:FSS(functional somatic syndromes)といった呼称が用いられることもあるようです。
4.自律神経の失調によって現れる症状
自律神経は、全身の臓器に分布している神経であるため、自律神経の失調によって現れる症状は、多種多様です。
頭痛 頭重感 めまい 耳鳴り 立ちくらみ 血圧が上がる
目の疲れ 目の乾き 眩しさ 食いしばり のどの閉塞感 口渇 口の中の不快感
首こり 肩こり 背中の痛み 腰痛 関節痛 筋肉痛 手足のしびれ 手足のふるえ
浅い呼吸 息苦しさ 息切れ
動悸 冷え ほてり 多汗 寝汗
腹痛 胃痛 食欲不振 吐き気 便秘 下痢 お腹の張り ガスがたまる
頻尿 残尿 生理不順
睡眠障害(不眠)
倦怠感 疲労感 だるさ
不安 イライラ 焦燥感 落ち込み 集中力の低下 記憶力の低下 意欲低下
気象病
自律神経の失調によって現れる症状の中に、「肩こり」や「腰痛」「関節痛」「筋肉痛」といった、一般的には骨、関節、筋肉などが原因と考えられるようなものも含まれています。
「首や肩のこり」に対して、筋肉を一生懸命もみほぐしても、なかなか改善が見られないのは、その原因が、筋肉にあるのではない可能性があります。
表立って現れている症状が「首や肩のこり」だとしても、単純に姿勢や筋力などが原因というわけではなく、その背景に「自律神経の乱れ」が潜んでいることが、少なくありません。
これは、「食いしばり」「腰痛」といった筋肉や関節の痛み、不調などでも同様です。
5.自律神経が乱れる原因
・ストレス
・ホルモンバランスの乱れ
・生活習慣の乱れ
・環境の変化
・抱えている不調による影響 など
自律神経に優しい環境、状況とは、「安全、安心、快適」を感じられることです。これらが、感じられない環境や心身の状態に置かれると、自律神経への負荷が高まります。
自律神経への負荷がかかる状態が頻繁に繰り返されたり、長期化されると、やがて自律神経は疲弊し、そのバランスは崩れてしまいます。自律神経のバランスがうまく保たれていない状態では、より交感神経優位の方向へ傾いてしまい、さらに強い緊張状態になってしまいます。
また、何かしらの不調があると、そのことにより自律神経のバランスは傾きます。
バランスが偏ったことにより、自律神経の失調による症状が出現し、それにより、さらに自律神経が乱され、症状が強まったり、新たな不調が現れる・・・といった悪循環が形成されます。
「何かしらの不調が自律神経を乱し、自律神経の乱れがまた症状をつくる」のです。
自律神経のバランスが崩れる要因は多岐に渡り、これらの要因から受ける影響の大きさも個人差があります。症状が一人一人違うように、その原因もまた一人一人異なります。
何かはっきりと特定できる要因で自律神経が乱れることもあれば、一つ一つは小さなことでも、それらが長期間続いたり、いくつも重なることで大きな負担となり、症状が出現するケースもあります。
6.自律神経と“体力”
自律神経の機能は、年齢とともに低下します。
40歳になると、20歳の頃に比べてその機能はおよそ半分に、50歳で3分の1に、60歳で4分の1にまで落ちてしまうといわれています。
一般的に、年齢を重ねていくと「体力が落ちたな~」と感じることが多くなります。
「体力」とは、筋力や持久力のことばかりを指すわけではありません。
実は、体力という“力”の源泉は、自律神経の“力”にあるのです。
自律神経は、「外界の環境に対し、体内の環境を一定に保つ」ための装置です。
体力とは、心身に負荷がかかるどんな悪環境でも、呼吸や体温調整などをきちんと安定してコントロールできる自律神経の“力”のことです。環境の変動や悪環境の継続に対しても、安定して機能し続けられる自律神経の“力”を指すのです。
つまり、「体力がある」とは、「自律神経が機能した状態をどれだけ維持できるか」を指します。
そして、「体力がある人」とは、「自律神経の機能が高い人」なのです。
「体力の維持・増進」には、筋力アップや持久力アップとともに「自律神経を整える」ことも重要なのです。
7.自律神経とストレス
交感神経と副交感神経の関係は、交感神経が「活動・緊張モード」、副交感神経が「休息・リラックスモード」といわれますが、そのバランスは、“副交感神経ありき”で保たれます。
副交感神経は、「休息・リラックスモード」としての働きの他に、私たちが社会生活を営む上で欠かせない大切な役割も担っています。
「ポリヴェーガル理論」を提唱しているイリノイ大学名誉教授のスティーブン・W・ポージェス博士によると、私たちの顔や首(ノド)、胸部に分布している副交感神経は、他の脳神経と共同で、他者とコミュニケーションをとるときに働く各部位の調整に関わっているとされます。
この副交感神経グループは「(社会との)つながりモード」として、豊かな表情を作ったり、目を合わせて話したり、声の高さを調節したり、人の話を聞いたりするといったコミュニケーション能力を統合し、他者とのリラックスした円滑な関係を促します。
私たちは、日常生活で経験するさまざまなストレスに対して、
- ・副交感神経:「休む・リラックス」→ 休む、寝る、食べる
- ・副交感神経:「つながり」 → コミュニケーション
- ・交感神経 :「活動・緊張」 → 緊張する、身体を動かす
といったことを通じて、うまく折り合いをつけながら過ごしています。
心身に起こるストレス反応は、「安全・安心か、否か」「快か、不快か」という個々の基準の中で、安全や安心が損なわれたり、不快を感じるようなモノやコトに遭遇することで起こります。
私たちは、ストレスの発生からストレス反応の蓄積に対して、以下のような対応手段を備えています。
- ①副交感神経による「休息・リラックスモード」と「つながりモード」で対応する
- ②交感神経による「戦う・逃げるモード」で対応する
- ③副交感神経による「凍り付く・やり過ごすモード」で対応する
具体的には、
- ① ストレスに見舞われると、通常、交感感神経による「緊張」という反応が起こります。 元気に過ごせている時には、「休息・リラックス」や「つながり」の副交感神経の働きで、ストレス反応の起点となる、この「緊張」を解消しています。
- ②「休息・リラックス」「つながり」でストレスに対処できなくなると、交感神経主導の「戦う・逃げるモード」へとシフトします。
- ③「戦う・逃げる」で対処しきれなくなると、最大の危機として、副交感神経の「休息・リラックスモード」が、交感神経の働きにブレーキをかけ、「凍り付く・やり過ごすモード」へと強制的に切り替えます。
このモードは、爬虫類や哺乳類の動物が行う「死んだふり」の状態で、身体を固め(凍り付かせ)、じっと動かずに危機を凌ごう、やり過ごそうという状態です。
もし今の心身の状態が、「交感神経による“戦う・逃げるモード”」や「副交感神経による“凍り付く・やり過ごすモード”」にあるならば、それは非常事態的なストレス対応モードになっているといえます。
このような状態は、心身への負担も大きく、さまざまな不調を招きやすいため、無理をせず、我慢をせず、早期に対策をとりましょう。
ストレス社会と言われる現代で、ストレスなく生活できるという人は多くありません。
そのため、自覚する不調がない場合でも、メンテナンスとして自律神経を整えることは、転ばぬ先の杖となります。そして、バランスの起点である副交感神経による「休息・リラックスモード」と「つながりモード」で、日頃のストレスに対応ができる状態を保つことが望ましいといえます。
8.自律神経を整える
「カイロプラクティックたんぽぽ」では、自律神経の調子を取り戻し、症状を緩解させる手立てを複数用意しており、その方の状態や症状などにあわせて、最適な方法による「復調の道すじ」を提案しています。
自律神経に優しい環境、状況とは、「安全、安心、快適」を感じられることです。
たんぽぽでは、「安全、安心、快適」を感じていただける院内環境と手技をご用意しております。
不調に悩まされている現在地から、「安全、安心、快適」とともにある心身の状態へ、施術を通じてサポートしていきます。
自律神経の失調には、
・ 交感神経優位で不調
・ 副交感神経優位で不調
があり、両者ではアプローチ方法や最適なセルフケアも異なります。
例えば、「腸」に現れる不調であっても、交感神経優位では「便秘」となり、副交感神経優位では「下痢」となります。
そのため、一口に自律神経を整えるといっても、お身体の状態にあわせて、交感神経の働きが過剰になっている状態であれば、副交感神経優位へ、副交感神経の働きが過剰になっている状態であれば、交感神経にスイッチを入れる、という施術プランを使い分けていきます。
<たんぽぽでの自律神経を整える施術>
- ◇ 交感神経と副交感神経では、体内の通るルートが異なります。
交感神経は、背骨の中を通る脊髄から伸びた神経が外側から出たあと、お腹側に回り、各器官に分布していきます。
副交感神経は、脳の下部の脳幹から出て各器官に分布するルート(迷走神経など)と、脊髄の下部から出る「骨盤神経」から、腸や膀胱、生殖器に向かうルートがあります。
たんぽぽでは、体内のルートが異なる交感神経、副交感神経に対して「せぼねの整体」「あたまの整体」「おなかの整体」といった調整手技を使い分けながら、あるいは組み合わせながらアプローチしています。
- ◇ 脳・神経科学の観点では、背骨などの関節調整により、動きを与えると、関節とその周囲にある神経のセンサー(固有受容器)の誤作動がリセットされ、「働き過ぎ/働かなさ過ぎ」になっている脳や脊髄、自律神経といった神経系の働きが、正常化されることが示唆されています。
「せぼねの整体」「あたまの整体」などの調整手技は、自律神経の失調に起因するさまざまな症状に対する効果が期待できます。
- ◇ 交感神経と副交感神経のバランスは、“副交感神経ありき”で成り立っています。
副交感神経の中でも、特に、迷走神経の働きが活性化していることが前提となっています。
交感神経と副交感神経のバランスは、安定して機能している迷走神経という土台の上でこそ、保たれるのです。
たんぽぽでは、迷走神経の走行や分布と関わりの深い「あたまの整体」「おなかの整体」などを行うことで、その働きを整えていきます。
- ◇ 文字通り“自律”して無意識下で機能している自律神経に対して、意識的に働きかけることができる方法は「呼吸」です。
そのため、セルフケア等で呼吸法に取り組むことは、自律神経の働きを整える上で、とても有効な手段となります。
たんぽぽでは、背骨や肋骨、横隔膜、呼吸機能に関わる他の筋肉などを整えることで、「深い呼吸」を取り戻していきます。
- ◇ たんぽぽでは、ご本人が全く自覚していない自律神経の乱れの兆候も、視診や触診、動診などにより、探知しながら施術をすすめていきます。
これにより、複数の不調、慢性的な症状の背景に潜んでいる自律神経の問題にも対応しています。
メンテナンス施術において、特に自覚している症状がないという場合でも、自律神経バランスの起点である“副交感神経ありき”の身体に整えることで、心身にゆとりのあるストレス対応できる状態に仕上げております。
9.みなさまから寄せられた口コミ
たんぽぽの先生の手にかかると余分な力が抜けてリラックスできます。
くいしばりや緊張性頭痛に悩まされていましたが、施術後は、体の力が抜け、呼吸もしやすくなります。
あごまわりや首や肩まわりもスッキリらくになって、行ってよかったなと思っています。
日頃から緊張しがちな人におすすめしたいです。
疲れやストレスがすぐにおなかにきてしまうのですが、ここで施術してもらった後は、胃や腸が活発に動いてくれます。ちゃんと「おなかがすいた」と感じるし、トイレの調子もいいようです。体が整う、きちんと動くというのはこういうことなんだと実感できます。
こちらの先生は「首や肩や腰、手足だけでなくて、おなかも体ですから」とおっしゃいますが、本当にそのとおりだと思えます。
ここのやり方は、内側から元気になれる施術だと思います。
耳がつまった感じと、喉のつまり(声も出しにくい)が、2か月前から気になっていて、耳鼻科に行っても異常なしということで、職場の先輩からすすめられて相談してみました。
ストレスで起こりやすい症状のようですが、なぜそうなるのかなどわかりやすく説明してくれました。
2回通ったのですが、一回目は頭と鎖骨の辺りを調整してくれて、耳のつまりはよくなりました。2回目は、まだ少し喉のつまりが残っていたのですが、おなかの調整をしてもらったら、すっきりして声も出るようになりました。
病院でどこも悪くないといわれたときは、不安でいっぱいでしたが、こちらで丁寧に施術してくれて、すっかり良くなったので、とても感謝しています。いい先生と巡り合えてとてもラッキーでした。
ありがとうございました。
友人のすすめで、3月から通っています。
毎年、梅雨の時期になると、頭痛やめまいに悩まされるのですが、こちらに通い始めたおかげで、今年は梅雨入りしても、ずっと調子良く過ごせています。
毎回、体の状態をみて「今日はここを整えましょう」とやってくれるためか、一段一段、良くなっていくのが、よくわかります。その場しのぎではなく、根本から良くしたい人には、とくにおすすめです。
たんぽぽさんには以前から、肩こりや腰痛などでお世話になっていましたが、ここ最近は、不眠でお世話になっています。
毎日、体は疲れているので、布団に入ればすぐ眠れるのですが、夜中に何度も目が覚めてしまい、熟睡できず、困っていました。
先生に相談し、眠れるよう調整してもらうと、施術中ぐっすり、その日の夜も朝までぐっすり眠れます。ただ、まだそれは数日しか続かないので、今は定期的に通って、調整してもらっています。自分でも、今抱えている問題が解消されない限り、安眠できないことはわかっているのですが、さすがにこのままだと体もまいってしまうので、通っているところです。
おかげさまで、夜中、途中で目が覚める回数も減り、少しずつですが、1回に眠れる時間も増えてきました。もう少し睡眠時間が安定するまで、定期的に続けたいと思っています。
ぐっすり眠りたいという人は、一度先生に相談されてみてはいかがでしょうか。